Ruby on Rails チュートリアル

実例を使ってRailsを学ぼう

Michael Hartl (マイケル・ハートル)

第4版 目次

推薦の言葉

私が前にいた会社 (CD Baby) は、かなり早い段階でRuby on Railsに乗り換えたのですが、またPHPに戻ってしまいました (詳細は私の名前をGoogleで検索してみてください)。そんな私ですが、Michael Hartl 氏の本を強く勧められたので、その本を使ってもう一度試してみた結果、今度は無事に Rails に乗り換えることができました。それがこの Ruby on Rails チュートリアルという本です。

私は多くの Rails 関連の本を参考にしてきましたが、真の決定版と呼べるものは本書をおいて他にありません。本書では、あらゆる手順が「Rails 流」で行われています。最初のうちは慣れるまでに時間がかかりましたが、この本を終えた今、ついにこれこそが自然な方式だと感じられるまでになりました。また、本書は Rails 関連の本の中で唯一、多くのプロが推奨するテスト駆動開発 (TDD: Test Driven Development) を、全編を通して実践しています。実例を使ってここまで分かりやすく解説された本は、本書が初めてでしょう。極めつけは、Git や GitHub、Heroku の実例に含めている点です。このような、実際の開発現場で使わているツールもチュートリアルに含まれているため、読者は、まるで実際のプロジェクトの開発プロセスを体験しているかのような感覚が得られるはずです。それでいて、それぞれの実例が独立したセクションになっているのではなく、そのどれもがチュートリアルの内容と見事に一体化しています。

本書は、筋道だった一本道の物語のようになっています。私自身、章の終わりにある練習問題もやりながら、この Rails チュートリアルを3日間かけて一気に読破しました1。最初から最後まで、途中を飛ばさずにやるのが一番効果的で有益な読み方です。ぜひやってみてください。

それでは、楽しんでお読みください!

Derek Sivers (sivers.org) CD Baby 創業者

(訳注: たった3分のTEDの動画「社会運動をどうやって起こすか」を観たことがある方もいるのではないでしょうか。その方からの推薦の言葉です。)

謝辞

Ruby on Rails チュートリアルは、私の以前の著書「RailsSpace」と、その時の共著者 Aurelius Prochazka から多くを参考にさせてもらっています。Aure には、協力と本書への支援も含め、感謝したいと思います。また、RailsSpaceRails チュートリアルの編集を担当した Debra Williams Cauley 氏にも謝意を表したく思います。彼女が野球の試合に連れて行ってくれる限り、私は本を書き続けるでしょう。

私にインスピレーションと知識を与えてくれた Rubyist の方々にも感謝したいと思います: David Heinemeier Hansson, Yehuda Katz, Carl Lerche, Jeremy Kemper, Xavier Noria, Ryan Bates, Geoffrey Grosenbach, Peter Cooper, Matt Aimonetti, Mark Bates, Gregg Pollack, Wayne E. Seguin, Amy Hoy, Dave Chelimsky, Pat Maddox, Tom Preston-Werner, Chris Wanstrath, Chad Fowler, Josh Susser, Obie Fernandez, Ian McFarland, Steven Bristol, Pratik Naik, Sarah Mei, Sarah Allen, Wolfram Arnold, Alex Chaffee, Giles Bowkett, Evan Dorn, Long Nguyen, James Lindenbaum, Adam Wiggins, Tikhon Bernstam, Ron Evans, Wyatt Greene, Miles Forrest, Sandi Metz, Ryan Davis, Aaron Patterson, Pivotal Labs の方々、Heroku の方々、thoughtbot の方々、そして GitHub の方々、ありがとうございました。最後に、ここに書ききれないほど多くの読者からバグ報告や提案を頂きました。ご協力いただいた皆様のおかげで、本書の完成度をとことんまで高めることができました。

丁寧なレビュー、技術的なフィードバック、そして役立つ提案をしてくれた Andrew Thai に感謝します。また、Learn Enough to Be Dangerous の共同創業者である Nick Merwin と Lee Donahoe、日々のチュートリアルの制作をサポートしてくれてありがとう。

最後に、たくさんの読者の皆さん、そして、ここに挙げきれないほど多いコントリビューターのみんな、バグ報告や提案をしてくれてありがとう。彼ら/彼女らの多くの手助けに、最高の感謝を。

著者

マイケル・ハートル (Michael Hartl)Ruby on Rails Tutorial という、Web 開発を学ぶときによく参考にされる本の著者です。 また、Learn Enough to Be Dangerous (learnenough.com) 教育系ウェブサイトの創業者でもあります。 以前は、(今ではすっかり古くなってしまいましたが)「RailsSpace」という本の執筆および開発に携わったり、また、 一時人気を博した Ruby on Rails ベースのSNSプラットフォーム「Insoshi」の開発にも携わっていました。 2011年には、Rails コミュニティへの高い貢献が認められて、Ruby Hero Award を受賞しました。

ハーバード大学卒業後、カリフォルニア工科大学物理学博士号を取得。シリコンバレーの有名な起業プログラム Y Combinator の卒業生でもあります。

  1. 3日間で読破できる人は例外です! 実際には数週間〜数ヶ月をかけて読むのが一般的です。 

第11章アカウントの有効化

現時点のアプリケーションは、新規登録したユーザーは初めからすべての機能にアクセスできるようになっています (7)。本章では、アカウントを有効化するステップを新規登録の途中に差し込むことで、本当にそのメールアドレスの持ち主なのかどうかを確認できるようにしてみます1。これを実現するための大まかな流れは、(1) 有効化トークンやダイジェストを関連付けておいた状態で、(2) 有効化トークンを含めたリンクをユーザーにメールで送信し、(3) ユーザーがそのリンクをクリックすると有効化できるようにする、というものです。なお、12でも似たような仕組みを使って、ユーザーがパスワードを忘れたときにパスワードを再設定できる仕組みを実装します。これらの機能ごとに新しいリソースを作成し、コントローラ/ルーティング/データベース移行の例について1つずつ学んでいきましょう。最後に、Railsの開発環境や本番環境からメールを実際に送信する方法についても学びます。

アカウントを有効化する段取りは、ユーザーログイン (8.2)、特にユーザーの記憶 (9.1) と似ています。 基本的な手順は次のようになります。

  1. ユーザーの初期状態は「有効化されていない」(unactivated) にしておく。
  2. ユーザー登録が行われたときに、有効化トークンと、それに対応する有効化ダイジェストを生成する。
  3. 有効化ダイジェストはデータベースに保存しておき、有効化トークンはメールアドレスと一緒に、ユーザーに送信する有効化用メールのリンクに仕込んでおく2
  4. ユーザーがメールのリンクをクリックしたら、アプリケーションはメールアドレスをキーにしてユーザーを探し、データベース内に保存しておいた有効化ダイジェストと比較することでトークンを認証する。
  5. ユーザーを認証できたら、ユーザーのステータスを「有効化されていない」から「有効化済み」(activated) に変更する。

都合の良いことに、今回実装するアカウント有効化やパスワード再設定の仕組みと、以前に実装したパスワードや記憶トークンの仕組みにはよく似た点が多いので、多くのアイデアを使い回すことができます (具体的にはUser.digestUser.new_token、改造版のuser.authenticated?メソッドなど)。表 11.1に、それぞれの仕組みの似ている点をまとめてみました (12で紹介するメソッドも含めています)。

検索キー string digest authentication
email password password_digest authenticate(password)
id remember_token remember_digest authenticated?(:remember, token)
email activation_token activation_digest authenticated?(:activation, token)
email reset_token reset_digest authenticated?(:reset, token)
表 11.1: ログイン/記憶トークン/アカウントの有効化/パスワードの再設定で似ている点

なお、本章の11.1では、アカウント有効化に必要なリソースやデータモデルを作っていきます (11.1)。また11.2では、メイラー (mailer) を使ってアカウント有効化時のメール送信部分を作っていきます (11.2)。最後に、表 11.1で紹介した改良版authenticated?メソッドを使って、実際にアカウントを有効化する部分を実装していきます (11.3)。

11.1 AccountActivationsリソース

セッション機能 (8.1) を使用して、アカウントの有効化という作業を「リソース」としてモデル化することにします。アカウントの有効化リソースはActive Recordのモデルとはこの際関係ないので、両者を関連付けることはしません。その代わりに、この作業に必要なデータ (有効化トークンや有効化ステータスなど) をUserモデルに追加することにします。

なお、アカウント有効化もリソースとして扱いたいのですが、いつもとは少し使い方が異なる点に注意しておいてください。例えば、有効化用のリンクにアクセスして有効化のステータスを変更する部分では、RESTのルールに従うとPATCHリクエストとupdateアクションになるべきです (表 7.1)。しかし、有効化リンクはメールでユーザーに送られることを思い出してください。ユーザーがこのリンクをクリックすれば、それはブラウザで普通にクリックしたときと同じであり、その場合ブラウザから発行されるのは (updateアクションで使うPATCHリクエストではなく) GETリクエストになってしまいます。このため、ユーザーからのGETリクエストを受けるために、(本来であればupdateのところを) editアクションに変更して使っていきます。

では、いつものように、Gitで新機能用のトピックブランチを作成しましょう。

$ git checkout -b account-activation

11.1.1 AccountActivationsコントローラ

UsersリソースやSessionsリソースのときと同様に、AccountActivationsリソースを作るために、まずはAccountActivationsコントローラを生成してみましょう3

$ rails generate controller AccountActivations

11.2.1で詳しく説明しますが、有効化のメールには次のURLを含めることになります。

edit_account_activation_url(activation_token, ...)

これは、editアクションへの名前付きルートが必要になるということです。そこでまずは、名前付きルートを扱えるようにするため、表 11.2にしたがって、ルーティングにアカウント有効化用のresources行を追加します (リスト 11.1)。

リスト 11.1: アカウント有効化に使うリソース (editアクション) を追加する config/routes.rb
Rails.application.routes.draw do
  root   'static_pages#home'
  get    '/help',    to: 'static_pages#help'
  get    '/about',   to: 'static_pages#about'
  get    '/contact', to: 'static_pages#contact'
  get    '/signup',  to: 'users#new'
  get    '/login',   to: 'sessions#new'
  post   '/login',   to: 'sessions#create'
  delete '/logout',  to: 'sessions#destroy'
  resources :users
  resources :account_activations, only: [:edit]
end
HTTPリクエスト URL Action 名前付きルート
GET /account_activation/<token>/edit edit edit_account_activation_url(token)
表 11.2: アカウント有効化用のRESTfulなルーティング設定 (リスト 11.1)

一旦ここまでにして、先にアカウント有効化用のデータモデルとメイラーを作っていきますが、それが終わったらここで作ったリソースをもとにeditアクションを定義していきます (11.3.2)。

演習

  1. 現時点でテストスイートを実行すると greenになることを確認してみましょう。
  2. 表 11.2の名前付きルートでは、_pathではなく_urlを使うように記してあります。なぜでしょうか? 考えてみましょう。ヒント: 私達はこれからメールで名前付きルートを使います。

11.1.2 AccountActivationのデータモデル

冒頭で少し説明したように、有効化のメールには一意の有効化トークンが必要です。パッと思いつくのは、送信メールとデータベースのそれぞれに同じ文字列を置いておく方法です。しかし、この方法では万が一データベースの内容が漏れたとき、多大な被害に繋がってしまいます。例えば、攻撃者がデータベースへのアクセスに成功した場合、新しく登録されたユーザーアカウントの有効化トークンを盗み取り、本来のユーザーが使う前にそのトークンを使ってしまう (そしてそのユーザーとしてログインしてしまう) ケースが考えられます4

このような事態を防ぐために、パスワードの実装 (6) や記憶トークンの実装 (9) と同じように仮想的な属性を使ってハッシュ化した文字列をデータベースに保存するようにします。具体的には、次のように仮想属性の有効化トークンにアクセスし、

user.activation_token

このようなコードでユーザーを認証できるようになります。

user.authenticated?(:activation, token)

(これを行うにはリスト 9.6authenticated?メソッドを改良する必要があります。)

続いて、activated属性を追加して論理値を取るようにします。これで、10.4.1で説明した自動生成の論理値メソッドと同じような感じで、ユーザーが有効であるかどうかをテストできるようになります。

if user.activated? ...

最後に、本チュートリアルで使うことはありませんが、ユーザーを有効にしたときの日時も念のために記録しておきます。 変更後のデータモデルは図 11.1のようになります。

user_model_account_activation
図 11.1: Userモデルにユーザー有効化用の属性を追加する

次のマイグレーションをコマンドラインで実行して図 11.1のデータモデルを追加すると、3つの属性が新しく追加されます。

$ rails generate migration add_activation_to_users \
> activation_digest:string activated:boolean activated_at:datetime

(8.2.4でも指摘しましたが、上の2行目にある > は改行を示すためにシェルが自動的に挿入する文字です。手動で入力しないよう、注意してください。) 次に、admin属性 (リスト 10.54) のときと同様に、activated属性のデフォルトの論理値をfalseにしておきます (リスト 11.2)。

リスト 11.2: アカウント有効化用の属性とインデックスを追加するマイグレーション db/migrate/[timestamp]_add_activation_to_users.rb
class AddActivationToUsers < ActiveRecord::Migration[5.0]
  def change
    add_column :users, :activation_digest, :string
    add_column :users, :activated, :boolean, default: false
    add_column :users, :activated_at, :datetime
  end
end

いつものようにマイグレーションを実行します。

$ rails db:migrate

Activationトークンのコールバック

ユーザーが新しい登録を完了するためには必ずアカウントの有効化が必要になるのですから、有効化トークンや有効化ダイジェストはユーザーオブジェクトが作成される前に作成しておく必要があります。 これによく似た状況を6.2.5でも説明しました。メールアドレスをデータベースに保存する前に、メールアドレスを全部小文字に変換する必要があったのでした。 あのときは、before_saveコールバックにdowncaseメソッドをバインドしました (リスト 6.32)。 オブジェクトにbefore_saveコールバックを用意しておくと、オブジェクトが保存される直前、オブジェクトの作成時や更新時にそのコールバックが呼び出されます。しかし今回は、オブジェクトが作成されたときだけコールバックを呼び出したいのです。それ以外のときには呼び出したくないのです。 そこでbefore_createコールバックが必要になります。このコールバックは次のように定義できます。

before_create :create_activation_digest

上のコードはメソッド参照と呼ばれるもので、こうするとRailsはcreate_activation_digestというメソッドを探し、ユーザーを作成する前に実行するようになります (リスト 6.32では、before_saveに明示的にブロックを渡していましたが、メソッド参照の方がオススメできます)。create_activation_digestメソッド自体はUserモデル内でしか使用しないので、外部に公開する必要はありません。7.3.2のときと同じようにprivateキーワードを指定して、このメソッドをRuby流に隠蔽します。

private

  def create_activation_digest
    # 有効化トークンとダイジェストを作成および代入する
  end

クラス内でprivateキーワードより下に記述したメソッドは自動的に非公開となります。これはコンソールですぐに確かめられます。

$ rails console
>> User.first.create_activation_digest
NoMethodError: private method `create_activation_digest' called for #<User>

今回before_createコールバックを使用する目的は、トークンとそれに対応するダイジェストを割り当てるためです。実際の割り当ては次のように行います。

self.activation_token  = User.new_token
self.activation_digest = User.digest(activation_token)

このコードでは、記憶トークンで使用したトークンのメソッドやダイジェストのメソッドをストレートに使いまわしています。リスト 9.3rememberメソッドと比べてみましょう。

# 永続セッションのためにユーザーをデータベースに記憶する
def remember
  self.remember_token = User.new_token
  update_attribute(:remember_digest, User.digest(remember_token))
end

主な違いは、後者のupdate_attributeの使い方にあります。この違いは、記憶トークンやダイジェストは既にデータベースにいるユーザーのために作成されるのに対し、before_createコールバックの方はユーザーが作成される前に呼び出されることです。このコールバックがあることで、User.newで新しいユーザーが定義されると (リスト 7.19)、activation_token属性やactivation_digest属性が得られるようになります。後者のactivation_digest属性は既にデータベースのカラムとの関連付けができあがっている (図 11.1) ので、ユーザーが保存されるときに一緒に保存されます。

上で説明したことをUserモデルに実装するとリスト 11.3のようになります。 有効化トークンは本質的に仮のものでなければならないので、このモデルのattr_accessorにもうひとつ追加しました。コールバックでメールアドレスを小文字にするときも (リスト 6.32)、メソッド参照が使用される機会があることにご注目ください。

リスト 11.3: Userモデルにアカウント有効化のコードを追加する green app/models/user.rb
class User < ApplicationRecord
  attr_accessor :remember_token, :activation_token
  before_save   :downcase_email
  before_create :create_activation_digest
  validates :name,  presence: true, length: { maximum: 50 }
  .
  .
  .
  private

    # メールアドレスをすべて小文字にする
    def downcase_email
      self.email = email.downcase
    end

    # 有効化トークンとダイジェストを作成および代入する
    def create_activation_digest
      self.activation_token  = User.new_token
      self.activation_digest = User.digest(activation_token)
    end
end

サンプルユーザーの生成とテスト

先に進む前に、サンプルデータとfixtureも更新し、テスト時のサンプルとユーザーを事前に有効化しておきましょう (リスト 11.4リスト 11.5)。 なお、Time.zone.nowはRailsの組み込みヘルパーであり、サーバーのタイムゾーンに応じたタイムスタンプを返します。

リスト 11.4: サンプルユーザーを最初から有効にしておく db/seeds.rb
User.create!(name:  "Example User",
             email: "example@railstutorial.org",
             password:              "foobar",
             password_confirmation: "foobar",
             admin:     true,
             activated: true,
             activated_at: Time.zone.now)

99.times do |n|
  name  = Faker::Name.name
  email = "example-#{n+1}@railstutorial.org"
  password = "password"
  User.create!(name:  name,
              email: email,
              password:              password,
              password_confirmation: password,
              activated: true,
              activated_at: Time.zone.now)
end
リスト 11.5: fixtureのユーザーを有効にしておく test/fixtures/users.yml
michael:
  name: Michael Example
  email: michael@example.com
  password_digest: <%= User.digest('password') %>
  admin: true
  activated: true
  activated_at: <%= Time.zone.now %>

archer:
  name: Sterling Archer
  email: duchess@example.gov
  password_digest: <%= User.digest('password') %>
  activated: true
  activated_at: <%= Time.zone.now %>

lana:
  name: Lana Kane
  email: hands@example.gov
  password_digest: <%= User.digest('password') %>
  activated: true
  activated_at: <%= Time.zone.now %>

malory:
  name: Malory Archer
  email: boss@example.gov
  password_digest: <%= User.digest('password') %>
  activated: true
  activated_at: <%= Time.zone.now %>

<% 30.times do |n| %>
user_<%= n %>:
  name:  <%= "User #{n}" %>
  email: <%= "user-#{n}@example.com" %>
  password_digest: <%= User.digest('password') %>
  activated: true
  activated_at: <%= Time.zone.now %>
<% end %>

いつものようにデータベースを初期化して、サンプルデータを再度生成し直し、リスト 11.4の変更を反映します。

$ rails db:migrate:reset
$ rails db:seed

演習

  1. 本項での変更を加えた後、テストスイートが green のままになっていることを確認してみましょう。
  2. コンソールからUserクラスのインスタンスを生成し、そのオブジェクトからcreate_activation_digestメソッドを呼び出そうとすると (Privateメソッドなので) NoMethodErrorが発生することを確認してみましょう。また、そのUserオブジェクトからダイジェストの値も確認してみましょう。
  3. リスト 6.34で、メールアドレスの小文字化にはemail.downcase!という (代入せずに済む) メソッドがあることを知りました。このメソッドを使って、リスト 11.3downcase_emailメソッドを改良してみてください。また、うまく変更できれば、テストスイートは成功したままになっていることも確認してみてください。

11.2 アカウント有効化のメール送信

データのモデル化が終わったので、今度はアカウント有効化メールの送信に必要なコードを追加しましょう。 このメソッドではAction Mailerライブラリを使用してUserのメイラーを追加します。このメイラーはUsersコントローラのcreateアクションで有効化リンクをメール送信するために使用します。 メイラーの構成はコントローラのアクションとよく似ており、メールのテンプレートをビューと同じ要領で定義できます。このテンプレートの中に有効化トークンとメールアドレス (= 有効にするアカウントのアドレス) のリンクを含め、使っていきます。

11.2.1 送信メールのテンプレート

メイラーは、モデルやコントローラと同様にrails generateで生成できます (リスト 11.6)。

リスト 11.6: Userメイラーの生成
$ rails generate mailer UserMailer account_activation password_reset

リスト 11.6を実行したことで、今回必要となるaccount_activationメソッドと、12で必要となるpassword_resetメソッドが生成されました。

また、リスト 11.6は、生成したメイラーごとに、ビューのテンプレートが2つずつ生成されます。1つはテキストメール用のテンプレート、1つはHTMLメール用のテンプレートです。アカウント有効化に使うテンプレートを、リスト 11.7リスト 11.8に示します。なお、パスワード再設定で使うテンプレートは12で使います。

リスト 11.7: アカウント有効化メイラーのテキストビュー (自動生成) app/views/user_mailer/account_activation.text.erb
UserMailer#account_activation

<%= @greeting %>, find me in app/views/user_mailer/account_activation.text.erb
リスト 11.8: アカウント有効化メイラーのHTMLビュー (自動生成) app/views/user_mailer/account_activation.html.erb
<h1>UserMailer#account_activation</h1>

<p>
  <%= @greeting %>, find me in app/views/user_mailer/account_activation.html.erb
</p>

生成されたメイラーの動作を簡単に追ってみましょう (リスト 11.9リスト 11.10)。 リスト 11.9には、デフォルトのfromアドレス (アプリケーション全体で共通) があります。リスト 11.10の各メソッドには宛先メールアドレスもあります。 リスト 11.9ではメールのフォーマットに対応するメイラーレイアウトも使用されています。なお本チュートリアルの説明には直接関係ありませんが、生成されるHTMLメイラーのレイアウトやテキストメイラーのレイアウトはapp/views/layoutsで確認できます。 生成されたコードにはインスタンス変数@greetingも含まれています。このインスタンス変数は、ちょうど普通のビューでコントローラのインスタンス変数を利用できるのと同じように、メイラービューで利用できます。

リスト 11.9: 生成されたApplicationメイラー app/mailers/application_mailer.rb
class ApplicationMailer < ActionMailer::Base
  default from: "from@example.com"
  layout 'mailer'
end
リスト 11.10: 生成されたUserメイラー app/mailers/user_mailer.rb
class UserMailer < ApplicationMailer

  # Subject can be set in your I18n file at config/locales/en.yml
  # with the following lookup:
  #
  #   en.user_mailer.account_activation.subject
  #
  def account_activation
    @greeting = "Hi"

    mail to: "to@example.org"
  end

  # Subject can be set in your I18n file at config/locales/en.yml
  # with the following lookup:
  #
  #   en.user_mailer.password_reset.subject
  #
  def password_reset
    @greeting = "Hi"

    mail to: "to@example.org"
  end
end

最初に、生成されたテンプレートをカスタマイズして、実際に有効化メールで使えるようにします (リスト 11.11)。 次に、ユーザーを含むインスタンス変数を作成してビューで使えるようにし、user.emailにメール送信します (リスト 11.12)。リスト 11.12では、mailsubjectキーを引数として渡しています。この値は、メールの件名にあたります。

リスト 11.11: 新しいデフォルトのfromアドレスを使用するアプリケーションメイラー app/mailers/application_mailer.rb
class ApplicationMailer < ActionMailer::Base
  default from: "noreply@example.com"
  layout 'mailer'
end
リスト 11.12: アカウント有効化リンクをメール送信する app/mailers/user_mailer.rb
class UserMailer < ApplicationMailer

  def account_activation(user)
    @user = user
    mail to: user.email, subject: "Account activation"
  end

  def password_reset
    @greeting = "Hi"

    mail to: "to@example.org"
  end
end

テンプレートビューは、通常のビューと同様ERBで自由にカスタマイズできます。ここでは挨拶文にユーザー名を含め、カスタムの有効化リンクを追加します。 この後、Railsサーバーでユーザーをメールアドレスで検索して有効化トークンを認証できるようにしたいので、リンクにはメールアドレスとトークンを両方含めておく必要があります。 AccountActivationsリソースで有効化をモデル化したので、トークン自体はリスト 11.1で定義した名前付きルートの引数で使われます。

edit_account_activation_url(@user.activation_token, ...)

ここで思い出してみましょう。

edit_user_url(user)

上のメソッドは、次の形式のURLを生成します。

http://www.example.com/users/1/edit

これに対応するアカウント有効化リンクのベースURLは以下のようになります。

http://www.example.com/account_activations/q5lt38hQDc_959PVoo6b7A/edit

上のURLの「q5lt38hQDc_959PVoo6b7A」という部分はnew_tokenメソッドで生成されたものです (リスト 9.2)。URLで使用できるようにBase64でエンコードされています。これはちょうど/users/1/editの「1」のようなユーザーIDと同じ役割を果たします。 このトークンは、特にAccountActivationsコントローラのeditアクションではparamsハッシュでparams[:id]として参照できます。

クエリパラメータを使用して、このURLにメールアドレスもうまく組み込んでみましょう。クエリパラメータとは、URLの末尾で疑問符「?」に続けてキーと値のペアを記述したものです5

account_activations/q5lt38hQDc_959PVoo6b7A/edit?email=foo%40example.com

このとき、メールアドレスの「@」記号がURLでは「%40」となっている点に注目してください。これは「エスケープ」と呼ばれる手法で、ここではURLで通常使用できない文字を含めるために使用されます。Railsでクエリパラメータを設定するには、名前付きルートに対して次のようなハッシュを追加します。

edit_account_activation_url(@user.activation_token, email: @user.email)

このようにして名前付きルートでクエリパラメータを定義すると、Railsが特殊な文字を自動的にエスケープしてくれます。 コントローラでparams[:email]からメールアドレスを取り出すときには、自動的にエスケープを解除してくれます。

ここまでできれば、リスト 11.12で定義した@userインスタンス変数、editへの名前付きルート、ERBを組み合わせて、必要なリンクを作成できます (リスト 11.13リスト 11.14)。 リスト 11.14のHTMLテンプレートでは、正しいリンクを組立てるためにlink_toメソッドを使用していることにご注目ください。

リスト 11.13: アカウント有効化のテキストビュー app/views/user_mailer/account_activation.text.erb
Hi <%= @user.name %>,

Welcome to the Sample App! Click on the link below to activate your account:

<%= edit_account_activation_url(@user.activation_token, email: @user.email) %>
リスト 11.14: アカウント有効化のHTMLビュー app/views/user_mailer/account_activation.html.erb
<h1>Sample App</h1>

<p>Hi <%= @user.name %>,</p>

<p>
Welcome to the Sample App! Click on the link below to activate your account:
</p>

<%= link_to "Activate", edit_account_activation_url(@user.activation_token,
                                                    email: @user.email) %>

演習

  1. コンソールを開き、CGIモジュールのescapeメソッド (リスト 11.15) でメールアドレスの文字列をエスケープできることを確認してみましょう。このメソッドで"Don’t panic!"をエスケープすると、どんな結果になりますか?
リスト 11.15: CGI.escapeを使ってエスケープする
>> CGI.escape('foo@example.com')
=> "foo%40example.com"

11.2.2 送信メールのプレビュー

リスト 11.13リスト 11.14で定義したテンプレートの実際の表示を簡単に確認するために、メールプレビューという裏技を使ってみましょう。Railsでは、特殊なURLにアクセスするとメールのメッセージをその場でプレビューすることができます。メールを実際に送信しなくてもよいので大変便利です。 これを利用するには、アプリケーションのdevelopment環境の設定に手を加える必要があります (リスト 11.16)。

リスト 11.16: development環境のメール設定 config/environments/development.rb
Rails.application.configure do
  .
  .
  .
  config.action_mailer.raise_delivery_errors = true
  config.action_mailer.delivery_method = :test
  host = 'example.com' # ここをコピペすると失敗します。自分の環境に合わせてください。
  config.action_mailer.default_url_options = { host: host, protocol: 'https' }
  .
  .
  .
end

リスト 11.16にあるホスト名 ’example.com’ の部分は、各自のdevelopment環境に合わせて変更してください。例えば、筆者はクラウドIDEを使っているので、このような設定になります。

host = 'rails-tutorial-mhartl.c9users.io'     # クラウドIDE
config.action_mailer.default_url_options = { host: host, protocol: 'https' }

一方、もしローカル環境で開発している場合は、次のようになります。

host = 'localhost:3000'                     # ローカル環境
config.action_mailer.default_url_options = { host: host, protocol: 'http' }

developmentサーバーを再起動してリスト 11.16の設定を読み込んだら、次はリスト 11.2で自動生成したUserメイラーのプレビューファイルの更新が必要です (リスト 11.17)。

リスト 11.17: Userメイラープレビュー (自動生成) test/mailers/previews/user_mailer_preview.rb
# Preview all emails at http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer
class UserMailerPreview < ActionMailer::Preview

  # Preview this email at
  # http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer/account_activation
  def account_activation
    UserMailer.account_activation
  end

  # Preview this email at
  # http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer/password_reset
  def password_reset
    UserMailer.password_reset
  end
end

リスト 11.12で定義したaccount_activationの引数には有効なUserオブジェクトを渡す必要があるため、リスト 11.17はこのままでは動きません。これを回避するために、user変数が開発用データベースの最初のユーザーになるように定義して、それをUserMailer.account_activationの引数として渡します (リスト 11.18)。このとき、リスト 11.18ではuser.activation_tokenの値にも代入している点にご注目ください。リスト 11.13リスト 11.14のテンプレートでは、アカウント有効化のトークンが必要なので、代入は省略できません。なお、activation_tokenは仮の属性でしかないので (11.1)、データベースのユーザーはこの値を実際には持っていません。

リスト 11.18: アカウント有効化のプレビューメソッド (完成) test/mailers/previews/user_mailer_preview.rb
# Preview all emails at http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer
class UserMailerPreview < ActionMailer::Preview

  # Preview this email at
  # http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer/account_activation
  def account_activation
    user = User.first
    user.activation_token = User.new_token
    UserMailer.account_activation(user)
  end

  # Preview this email at
  # http://localhost:3000/rails/mailers/user_mailer/password_reset
  def password_reset
    UserMailer.password_reset
  end
end

リスト 11.18のプレビューコードを実装すると、指定のURLでアカウント有効化メールをプレビューできるようになります (クラウドIDEを使っている場合は、localhost:3000の部分を対応するベースURLに置き換えてください)。HTMLメールとテキストメールのプレビューを、図 11.2図 11.3に示します。

images/figures/account_activation_html_preview_4th_ed
図 11.2: アカウント有効化メールのプレビュー (HTML)
images/figures/account_activation_text_preview_4th_ed
図 11.3: アカウント有効化メールのプレビュー (テキスト)

演習

  1. Railsのプレビュー機能を使って、ブラウザから先ほどのメールを表示してみてください。「Date」の欄にはどんな内容が表示されているでしょうか?

11.2.3 送信メールのテスト

最後に、このメールプレビューのテストも作成して、プレビューをダブルチェックできるようにします。 便利なテスト例がRailsによって自動生成されているので(リスト 11.19)、これを利用すればテストの作成は割と簡単です。

リスト 11.19: Userメイラーのテスト (Railsによる自動生成) test/mailers/user_mailer_test.rb
require 'test_helper'

class UserMailerTest < ActionMailer::TestCase

  test "account_activation" do
    mail = UserMailer.account_activation
    assert_equal "Account activation", mail.subject
    assert_equal ["to@example.org"], mail.to
    assert_equal ["from@example.com"], mail.from
    assert_match "Hi", mail.body.encoded
  end

  test "password_reset" do
    mail = UserMailer.password_reset
    assert_equal "Password reset", mail.subject
    assert_equal ["to@example.org"], mail.to
    assert_equal ["from@example.com"], mail.from
    assert_match "Hi", mail.body.encoded
  end
end

リスト 11.19のテストでは、assert_matchという非常に強力なメソッドが使用されています。これを使えば、正規表現で文字列をテストできます。

assert_match 'foo', 'foobar'      # true
assert_match 'baz', 'foobar'      # false
assert_match /\w+/, 'foobar'      # true
assert_match /\w+/, '$#!*+@'      # false

リスト 11.20のテストでは、assert_matchメソッドを使用して名前、有効化トークン、エスケープ済みメールアドレスがメール本文に含まれているかどうかをテストします。 最後にもうひとつ小技をお教えします。

CGI.escape(user.email)

11.2.1.1で紹介した上のメソッドを使うと、テスト用のユーザーのメールアドレスをエスケープすることもできます6

リスト 11.20: 現在のメールの実装をテストする red test/mailers/user_mailer_test.rb
require 'test_helper'

class UserMailerTest < ActionMailer::TestCase

  test "account_activation" do
    user = users(:michael)
    user.activation_token = User.new_token
    mail = UserMailer.account_activation(user)
    assert_equal "Account activation", mail.subject
    assert_equal [user.email], mail.to
    assert_equal ["noreply@example.com"], mail.from
    assert_match user.name,               mail.body.encoded
    assert_match user.activation_token,   mail.body.encoded
    assert_match CGI.escape(user.email),  mail.body.encoded
  end
end

リスト 11.20のテストコードでは、fixtureユーザーに有効化トークンを追加している点にご注目ください。追加しない場合は空白になります。 なお、リスト 11.20では生成されたパスワード設定のテストも削除していますが、 12.2.2のときにこの箇所は元に戻します。

このテストがパスするには、テストファイル内のドメイン名を正しく設定する必要があります (リスト 11.20)。

リスト 11.21: テストのドメインホストを設定する config/environments/test.rb
Rails.application.configure do
  .
  .
  .
  config.action_mailer.delivery_method = :test
  config.action_mailer.default_url_options = { host: 'example.com' }
  .
  .
  .
end

上のコードを使うと、テストは greenになるはずです。

リスト 11.22: green
$ rails test:mailers

演習

  1. この時点で、テストスイートが greenになっていることを確認してみましょう。
  2. リスト 11.20で使ったCGI.escapeの部分を削除すると、テストが redに変わることを確認してみましょう。

11.2.4 ユーザーのcreateアクションを更新

あとはユーザー登録を行うcreateアクションに数行追加するだけで、メイラーをアプリケーションで実際に使うことができます (リスト 11.23)。 リスト 11.23では、登録時のリダイレクトの挙動が変更されている点にご注意ください。 変更前は、ユーザーのプロフィールページ (7.4) にリダイレクトしていましたが、アカウント有効化を実装するうえでは無意味な動作なので、 リダイレクト先をルートURLに変更してあります。

リスト 11.23: ユーザー登録にアカウント有効化を追加する red app/controllers/users_controller.rb
class UsersController < ApplicationController
  .
  .
  .
  def create
    @user = User.new(user_params)
    if @user.save
      UserMailer.account_activation(@user).deliver_now
      flash[:info] = "Please check your email to activate your account."
      redirect_to root_url
    else
      render 'new'
    end
  end
  .
  .
  .
end

リスト 11.23ではリダイレクト先をプロフィールページからルートURLに変更し、かつユーザーは以前のようにログインしないようになっています。したがって、アプリケーションの動作が仮に正しくても、現在のテストスイートは redになります。そこで、失敗が発生するテストの行をひとまずコメントアウトしておきます (リスト 11.24)。コメントアウトした部分は、11.3.3でアカウント有効化のテストをパスさせるときに元に戻します。

リスト 11.24: 失敗するテストを一時的にコメントアウトする green test/integration/users_signup_test.rb
require 'test_helper'

class UsersSignupTest < ActionDispatch::IntegrationTest

  test "invalid signup information" do
    get signup_path
    assert_no_difference 'User.count' do
      post users_path, params: { user: { name:  "",
                                         email: "user@invalid",
                                         password:              "foo",
                                         password_confirmation: "bar" } }
    end
    assert_template 'users/new'
    assert_select 'div#error_explanation'
    assert_select 'div.field_with_errors'
  end

  test "valid signup information" do
    get signup_path
    assert_difference 'User.count', 1 do
      post users_path, params: { user: { name:  "Example User",
                                         email: "user@example.com",
                                         password:              "password",
                                         password_confirmation: "password" } }
    end
    follow_redirect!
    # assert_template 'users/show'
    # assert is_logged_in?
  end
end

この状態で実際に新規ユーザーとして登録してみると、リダイレクトされて図 11.4のようになり、リスト 11.25のようなメールが生成されます。 ただし、実際にメールが生成されるわけではないのでご注意ください。ここに引用したのはサーバーログに出力されたメールです (メールが見えるまで多少スクロールが必要でしょう)。 production環境で実際にメール送信する方法については11.4で説明します。

リスト 11.25: サーバーログに表示されたアカウント有効化メールの例
UserMailer#account_activation: processed outbound mail in 292.4ms
Sent mail to michael@michaelhartl.com (47.3ms)
Date: Mon, 06 Jun 2016 20:17:41 +0000
From: noreply@example.com
To: michael@michaelhartl.com
Message-ID: <5755da6518cb4_f2c9222494c7178e@mhartl-rails-tutorial-3045526.mail>
Subject: Account activation
Mime-Version: 1.0
Content-Type: multipart/alternative;
 boundary="--==_mimepart_5755da6513e89_f2c9222494c71639";
 charset=UTF-8
Content-Transfer-Encoding: 7bit


----==_mimepart_5755da6513e89_f2c9222494c71639
Content-Type: text/plain;
 charset=UTF-8
Content-Transfer-Encoding: 7bit

Hi Michael Hartl,

Welcome to the Sample App! Click on the link below to activate your account:

https://rails-tutorial-mhartl.c9users.io/account_activations/
-L9kBsbIjmrqpJGB0TUKcA/edit?email=michael%40michaelhartl.com

----==_mimepart_5755da6513e89_f2c9222494c71639
Content-Type: text/html;
 charset=UTF-8
Content-Transfer-Encoding: 7bit

<!DOCTYPE html>
<html>
  <head>
    <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" />
    <style>
      /* Email styles need to be inline */
    </style>
  </head>

  <body>
    <h1>Sample App</h1>

<p>Hi Michael Hartl,</p>

<p>
Welcome to the Sample App! Click on the link below to activate your account:
</p>

<a href="https://rails-tutorial-mhartl.c9users.io/account_activations/
-L9kBsbIjmrqpJGB0TUKcA/edit?email=michael%40michaelhartl.com">Activate</a>
  </body>
</html>

----==_mimepart_5755da6513e89_f2c9222494c71639--
images/figures/redirected_not_activated
図 11.4: 登録後リダイレクトしたホームページにアカウント有効化確認のメッセージが表示される

演習

  1. 新しいユーザーを登録したとき、リダイレクト先が適切なURLに変わったことを確認してみましょう。その後、Railsサーバーのログから送信メールの内容を確認してみてください。有効化トークンの値はどうなっていますか?
  2. コンソールを開き、データベース上にユーザーが作成されたことを確認してみましょう。また、このユーザーはデータベース上にはいますが、有効化のステータスがfalseのままになっていることを確認してください。

11.3 アカウントを有効化する

リスト 11.25のとおりにメールが生成できたら、今度はAccountActivationsコントローラのeditアクションを書いていきましょう。また、アクションへのテストを書き、しっかりとテストできていることが確認できたら、AccountActivationsコントローラからUserモデルにコードを移していく作業 (リファクタリング) にも取り掛かっていきます。

11.3.1 authenticated?メソッドの抽象化

ここで、有効化トークンとメールをそれぞれparams[:id]params[:email]で参照できる (11.2.1) ことを思い出してみましょう。 パスワードのモデル (リスト 8.7) と記憶トークン (リスト 9.9) で学んだことを元に、次のようなコードでユーザーを検索して認証することにします。

user = User.find_by(email: params[:email])
if user && user.authenticated?(:activation, params[:id])

(この後、上の式にひとつ論理値を追加します。 何が追加されるか考えてみましょう。)

上のコードで使っているauthenticated?メソッドは、アカウント有効化のダイジェストと、渡されたトークンが一致するかどうかをチェックします。ただし、このメソッドは記憶トークン (リスト 9.6) 用なので今は正常に動作しません。

# トークンがダイジェストと一致したらtrueを返す
def authenticated?(remember_token)
  return false if remember_digest.nil?
  BCrypt::Password.new(remember_digest).is_password?(remember_token)
end

remember_digestはUserモデルの属性なので、モデル内では次のように書き換えることができます。

self.remember_digest

今回は、上のコードをどうにかして変数として扱いたいのです。つまり、次のように呼び出せると便利そうです。

self.FOOBAR_digest

これから実装するauthenticated?メソッドでは、上のコードのように適切なパラメータを受け取って、状況に応じて呼び出すメソッドを切り替えられるようにしてみましょう。

この一見不思議な手法は「メタプログラミング」と呼ばれています。メタプログラミングを一言で言うと「プログラムでプログラムを作成する」ことです。 メタプログラミングはRubyが有するきわめて強力な機能であり、Railsの一見魔法のような機能 (「黒魔術」とも呼ばれます) の多くは、Rubyのメタプログラミングによって実現されています。ここで重要なのは、sendメソッドの強力きわまる機能です。このメソッドは、渡されたオブジェクトに「メッセージを送る」ことによって、呼び出すメソッドを動的に決めることができます。例を見てみましょう。Railsコンソールを開き、Rubyのオブジェクトに対してsendメソッドを実行し、配列の長さを得るとします。

$ rails console
>> a = [1, 2, 3]
>> a.length
=> 3
>> a.send(:length)
=> 3
>> a.send("length")
=> 3

このときsendを通して渡したシンボル:lengthや文字列"length"は、いずれもlengthメソッドと同じ結果になりました。つまり、どちらもオブジェクトにlengthメソッドを渡しているため、等価なのです。もう1つ例をお見せします。データベースの最初のユーザーが持つactivation_digest属性にアクセスする例です。

>> user = User.first
>> user.activation_digest
=> "$2a$10$4e6TFzEJAVNyjLv8Q5u22ensMt28qEkx0roaZvtRcp6UZKRM6N9Ae"
>> user.send(:activation_digest)
=> "$2a$10$4e6TFzEJAVNyjLv8Q5u22ensMt28qEkx0roaZvtRcp6UZKRM6N9Ae"
>> user.send("activation_digest")
=> "$2a$10$4e6TFzEJAVNyjLv8Q5u22ensMt28qEkx0roaZvtRcp6UZKRM6N9Ae"
>> attribute = :activation
>> user.send("#{attribute}_digest")
=> "$2a$10$4e6TFzEJAVNyjLv8Q5u22ensMt28qEkx0roaZvtRcp6UZKRM6N9Ae"

最後の例では、シンボル:activationと等しいattribute変数を定義し、文字列の式展開 (interpolation) を使用して引数を正しく組み立ててから、sendに渡しています。文字列’activation’でも同じことができますが、Rubyではシンボルを使う方が一般的です。

"#{attribute}_digest"

シンボルと文字列どちらを使った場合でも、上のコードは次のように文字列に変換されます。

"activation_digest"

これは、7.4.2でシンボルが式展開されて文字列になったのと同じ仕組みです。

sendメソッドの動作原理がわかったので、この仕組みを利用してauthenticated?メソッドを書き換えてみましょう。

def authenticated?(remember_token)
  digest = self.send("remember_digest")
  return false if digest.nil?
  BCrypt::Password.new(digest).is_password?(remember_token)
end

上のコードの各引数を一般化し、文字列の式展開も利用すると、次のようなコードにできます。

def authenticated?(attribute, token)
  digest = self.send("#{attribute}_digest")
  return false if digest.nil?
  BCrypt::Password.new(digest).is_password?(token)
end

他の認証でも使えるように、上では2番目の引数tokenの名前を変更して一般化している点に注意してください。また、このコードはモデル内にあるのでselfは省略することもできます。最終的にRubyらしく書かれたコードは、次のようになります。

def authenticated?(attribute, token)
  digest = send("#{attribute}_digest")
  return false if digest.nil?
  BCrypt::Password.new(digest).is_password?(token)
end

ここまでできれば、次のように呼び出すことでauthenticated?の従来の振舞いを再現できます。

user.authenticated?(:remember, remember_token)

以上の説明を実際のUserモデルに適用した、抽象化したauthenticated?メソッドをリスト 11.26に示します。

リスト 11.26: 抽象化されたauthenticated?メソッド red app/models/user.rb
class User < ApplicationRecord
  .
  .
  .
  # トークンがダイジェストと一致したらtrueを返す
  def authenticated?(attribute, token)
    digest = send("#{attribute}_digest")
    return false if digest.nil?
    BCrypt::Password.new(digest).is_password?(token)
  end
  .
  .
  .
end

リスト 11.26のキャプションに記したとおり、この時点ではテストスイートは redになります。

リスト 11.27: red
$ rails test

テストが失敗する理由は、current_userメソッド (リスト 9.9) とnilダイジェストのテスト (リスト 9.17) の両方で、authenticated?が古いままになっており、引数も2つではなくまだ1つのままだからです。これを解消するため、両者を更新して、新しい一般的なメソッドを使うようにします (リスト 11.28リスト 11.29)。

リスト 11.28: current_user内の抽象化したauthenticated?メソッド red app/helpers/sessions_helper.rb
module SessionsHelper
  .
  .
  .
  # 現在ログイン中のユーザーを返す (いる場合)
  def current_user
    if (user_id = session[:user_id])
      @current_user ||= User.find_by(id: user_id)
    elsif (user_id = cookies.signed[:user_id])
      user = User.find_by(id: user_id)
      if user && user.authenticated?(:remember, cookies[:remember_token])
        log_in user
        @current_user = user
      end
    end
  end
  .
  .
  .
end
リスト 11.29: Userテスト内の抽象化したauthenticated?メソッド green test/models/user_test.rb
require 'test_helper'

class UserTest < ActiveSupport::TestCase

  def setup
    @user = User.new(name: "Example User", email: "user@example.com",
                     password: "foobar", password_confirmation: "foobar")
  end
  .
  .
  .
  test "authenticated? should return false for a user with nil digest" do
    assert_not @user.authenticated?(:remember, '')
  end
end

上のような変更を加えると、テストは greenに変わります。

リスト 11.30: green
$ rails test

このようなリファクタリングを施すとエラーが発生しやすくなるので、しっかりしたテストスイートが不可欠です。9.1.29.3であえてトラブルを発生させてみたのは、よいテストを書く動機付けになるかなと考えたからです。

演習

  1. コンソール内で新しいユーザーを作成してみてください。新しいユーザーの記憶トークンと有効化トークンはどのような値になっているでしょうか? また、各トークンに対応するダイジェストの値はどうなっているでしょうか?
  2. リスト 11.26で抽象化したauthenticated?メソッドを使って、先ほどの各トークン/ダイジェストの組み合わせで認証が成功することを確認してみましょう。

11.3.2 editアクションで有効化

authenticated?リスト 11.26のようになったことで、やっとeditアクションを書く準備ができました。このアクションは、paramsハッシュで渡されたメールアドレスに対応するユーザーを認証します。 ユーザーが有効であることを確認する中核は、次の部分になります。

if user && !user.activated? && user.authenticated?(:activation, params[:id])

!user.activated?という記述にご注目ください。先ほど「1つ論理値を追加します」と言ったのはここで利用したいからです。このコードは、既に有効になっているユーザーを誤って再度有効化しないために必要です。正当であろうとなかろうと、有効化が行われるとユーザーはログイン状態になります。もしこのコードがなければ、攻撃者がユーザーの有効化リンクを後から盗みだしてクリックするだけで、本当のユーザーとしてログインできてしまいます。そうした攻撃を防ぐためにこのコードは非常に重要です。

上の論理値に基いてユーザーを認証するには、ユーザーを認証してからactivated_atタイムスタンプを更新する必要があります7

user.update_attribute(:activated,    true)
user.update_attribute(:activated_at, Time.zone.now)

上のコードをeditアクション (リスト 11.31) で使用します。 リスト 11.31では有効化トークンが無効だった場合の処理も行われている点にご注目ください。トークンが無効になるようなことは実際にはめったにありませんが、もしそうなった場合はルートURLにリダイレクトされる仕組みです。

リスト 11.31: アカウントを有効化するeditアクション app/controllers/account_activations_controller.rb
class AccountActivationsController < ApplicationController

  def edit
    user = User.find_by(email: params[:email])
    if user && !user.activated? && user.authenticated?(:activation, params[:id])
      user.update_attribute(:activated,    true)
      user.update_attribute(:activated_at, Time.zone.now)
      log_in user
      flash[:success] = "Account activated!"
      redirect_to user
    else
      flash[:danger] = "Invalid activation link"
      redirect_to root_url
    end
  end
end

リスト 11.31のコードを使用すると、リスト 11.25にあるURLを貼り付けてユーザーを有効化できます。 著者のシステム上では、以下のURLをブラウザで開くと、

http://rails-tutorial-mhartl.c9users.io/account_activations/
fFb_F94mgQtmlSvRFGsITw/edit?email=michael%40michaelhartl.com

図 11.5のようになりました。

images/figures/activated_user_4th_ed
図 11.5: 有効化が成功した場合に表示されるプロフィールページ

もちろん、この時点ではユーザーのログイン方法を変更していないので、ユーザーの有効化にはまだ何の意味もありません。 ユーザーの有効化が役に立つためには、ユーザーが有効である場合にのみログインできるようにログイン方法を変更する必要があります。 リスト 11.32に示したように、これを行うにはuser.activated?がtrueの場合にのみログインを許可し、そうでない場合はルートURLにリダイレクトしてwarningで警告を表示します (図 11.6)。

リスト 11.32: 有効でないユーザーがログインすることのないようにする app/controllers/sessions_controller.rb
class SessionsController < ApplicationController

  def new
  end

  def create
    user = User.find_by(email: params[:session][:email].downcase)
    if user && user.authenticate(params[:session][:password])
      if user.activated?
        log_in user
        params[:session][:remember_me] == '1' ? remember(user) : forget(user)
        redirect_back_or user
      else
        message  = "Account not activated. "
        message += "Check your email for the activation link."
        flash[:warning] = message
        redirect_to root_url
      end
    else
      flash.now[:danger] = 'Invalid email/password combination'
      render 'new'
    end
  end

  def destroy
    log_out if logged_in?
    redirect_to root_url
  end
end
images/figures/not_activated_warning
図 11.6: 有効になっていないユーザーに表示される警告メッセージ

これで、ユーザー有効化機能のおおまかな部分については実装できました (改良すべき点として、有効化されていないユーザーが表示されないようにする必要もあるのですが、これは11.3.3.1の課題に回すことにします)。 次の11.3.3でテストをもう少し追加し、リファクタリングを少々施せば完了です。

演習

  1. コンソールから、11.2.4で生成したメールに含まれているURLを調べてみてください。URL内のどこに有効化トークンが含まれているでしょうか?
  2. 先ほど見つけたURLをブラウザに貼り付けて、そのユーザーの認証に成功し、有効化できることを確認してみましょう。また、有効化ステータスがtrueになっていることをコンソールから確認してみてください。

11.3.3 有効化のテストとリファクタリング

この項では、アカウント有効化の統合テストを追加します。 正しい情報でユーザー登録を行った場合のテスト (リスト 7.4.4) は既にあるので、7.33で開発したテストに若干手を加えることにします。 追加される行数はそこそこ多いのですが、基本的に素直なので心配はありません。リスト 11.33をご覧ください。なお、リスト 11.33でハイライトした行は見落とされがちなので、慎重にコードを変更していきましょう。

リスト 11.33: ユーザー登録のテストにアカウント有効化を追加する green test/integration/users_signup_test.rb
require 'test_helper'

class UsersSignupTest < ActionDispatch::IntegrationTest

  def setup
    ActionMailer::Base.deliveries.clear
  end

  test "invalid signup information" do
    get signup_path
    assert_no_difference 'User.count' do
      post users_path, params: { user: { name:  "",
                                         email: "user@invalid",
                                         password:              "foo",
                                         password_confirmation: "bar" } }
    end
    assert_template 'users/new'
    assert_select 'div#error_explanation'
    assert_select 'div.field_with_errors'
  end
    
  test "valid signup information with account activation" do
    get signup_path
    assert_difference 'User.count', 1 do
      post users_path, params: { user: { name:  "Example User",
                                         email: "user@example.com",
                                         password:              "password",
                                         password_confirmation: "password" } }
    end
    assert_equal 1, ActionMailer::Base.deliveries.size
    user = assigns(:user)
    assert_not user.activated?
    # 有効化していない状態でログインしてみる
    log_in_as(user)
    assert_not is_logged_in?
    # 有効化トークンが不正な場合
    get edit_account_activation_path("invalid token", email: user.email)
    assert_not is_logged_in?
    # トークンは正しいがメールアドレスが無効な場合
    get edit_account_activation_path(user.activation_token, email: 'wrong')
    assert_not is_logged_in?
    # 有効化トークンが正しい場合
    get edit_account_activation_path(user.activation_token, email: user.email)
    assert user.reload.activated?
    follow_redirect!
    assert_template 'users/show'
    assert is_logged_in?
  end
end

リスト 11.33のコードは分量が多いように見えますが、本当に重要な部分は以下の1行です。

assert_equal 1, ActionMailer::Base.deliveries.size

上のコードは、配信されたメッセージがきっかり1つであるかどうかを確認します。配列deliveriesは変数なので、setupメソッドでこれを初期化しておかないと、並行して行われる他のテストでメールが配信されたときにエラーが発生してしまいます (12でも似たようなケースを扱います)。ちなみにリスト 11.33assignsメソッドは、初めてみた方もいるかもしれません。9の演習 (9.3.1.1) で説明したのですが、このassignsメソッドを使うと対応するアクション内のインスタンス変数にアクセスできるようになります。例えば、Usersコントローラのcreateアクションでは@userというインスタンス変数が定義されていますが (リスト 11.23)、テストでassigns(:user)と書くとこのインスタンス変数にアクセスできるようになる、といった具合です。最後に、リスト 11.24でコメントアウトしておいた行を、リスト 11.33で元に戻していることにご注意ください。

これでテストスイートは greenになるはずです。

リスト 11.34: green
$ rails test

リスト 11.33のテストができたので、ユーザー操作の一部をコントローラからモデルに移動するというささやかなリファクタリングを行う準備ができました。 ここでは特に、activateメソッドを作成してユーザーの有効化属性を更新し、send_activation_emailメソッドを作成して有効化メールを送信します。 この新しいメソッドをリスト 11.35に示します。また、リファクタリングされたアプリケーションコードをリスト 11.36リスト 11.37に示します。

リスト 11.35: Userモデルにユーザー有効化メソッドを追加する app/models/user.rb
class User < ApplicationRecord
  .
  .
  .
  # アカウントを有効にする
  def activate
    update_attribute(:activated,    true)
    update_attribute(:activated_at, Time.zone.now)
  end

  # 有効化用のメールを送信する
  def send_activation_email
    UserMailer.account_activation(self).deliver_now
  end

  private
    .
    .
    .
end
リスト 11.36: ユーザーモデルオブジェクトからメールを送信する app/controllers/users_controller.rb
class UsersController < ApplicationController
  .
  .
  .
  def create
    @user = User.new(user_params)
    if @user.save
      @user.send_activation_email
      flash[:info] = "Please check your email to activate your account."
      redirect_to root_url
    else
      render 'new'
    end
  end
  .
  .
  .
end
リスト 11.37: ユーザーモデルオブジェクト経由でアカウントを有効化する app/controllers/account_activations_controller.rb
class AccountActivationsController < ApplicationController

  def edit
    user = User.find_by(email: params[:email])
    if user && !user.activated? && user.authenticated?(:activation, params[:id])
      user.activate
      log_in user
      flash[:success] = "Account activated!"
      redirect_to user
    else
      flash[:danger] = "Invalid activation link"
      redirect_to root_url
    end
  end
end

リスト 11.35ではuser.という記法を使っていない点にご注目ください。Userモデルにはそのような変数はないので、これがあるとエラーになります。

-user.update_attribute(:activated,    true)
-user.update_attribute(:activated_at, Time.zone.now)
+update_attribute(:activated,    true)
+update_attribute(:activated_at, Time.zone.now)

(userselfに切り替えるという手もあるのですが、selfはモデル内では必須ではないと6.2.5で解説したことを思い出しましょう。) Userメイラー内の呼び出しでは、@userselfに変更されている点にもご注目ください。

-UserMailer.account_activation(@user).deliver_now
+UserMailer.account_activation(self).deliver_now

どんなに簡単なリファクタリングであっても、この手の変更はつい忘れてしまうものです。テストをきちんと書いておけば、この種の見落としを検出できます。 以上でテストスイートは greenになるはずです。

リスト 11.38: green
$ rails test

演習

  1. リスト 11.35にあるactivateメソッドはupdate_attributeを2回呼び出していますが、これは各行で1回ずつデータベースへ問い合わせしていることになります。リスト 11.39に記したテンプレートを使って、update_attributeの呼び出しを1回のupdate_columns呼び出しにまとめてみましょう (これでデータベースへの問い合わせが1回で済むようになります)。また、変更後にテストを実行し、 greenになることも確認してください。
  2. 現在は、/usersのユーザーindexページを開くとすべてのユーザーが表示され、/users/:idのようにIDを指定すると個別のユーザーを表示できます。しかし考えてみれば、有効でないユーザーは表示する意味がありません。そこで、リスト 11.40のテンプレートを使って、この動作を変更してみましょう8。なお、ここで使っているActive Recordのwhereメソッドについては、13.3.3でもう少し詳しく説明します。
  3. ここまでの演習課題で変更したコードをテストするために、/users と /users/:id の両方に対する統合テストを作成してみましょう。
リスト 11.39: update_columnsを使用するテンプレート app/models/user.rb
class User < ApplicationRecord
  attr_accessor :remember_token, :activation_token
  before_save   :downcase_email
  before_create :create_activation_digest
  .
  .
  .
  # アカウントを有効にする
  def activate
    update_columns(activated: FILL_IN, activated_at: FILL_IN)
  end

  # 有効化用のメールを送信する
  def send_activation_email
    UserMailer.account_activation(self).deliver_now
  end

  private

    # メールアドレスをすべて小文字にする
    def downcase_email
      self.email = email.downcase
    end

    # 有効化トークンとダイジェストを作成および代入する
    def create_activation_digest
      self.activation_token  = User.new_token
      self.activation_digest = User.digest(activation_token)
    end
end
リスト 11.40: 有効なユーザーだけを表示するコードのテンプレート app/controllers/users_controller.rb
class UsersController < ApplicationController
  .
  .
  .
  def index
    @users = User.where(activated: FILL_IN).paginate(page: params[:page])
  end

  def show
    @user = User.find(params[:id])
    redirect_to root_url and return unless FILL_IN
  end
  .
  .
  .
end

11.4 本番環境でのメール送信

ここまでの実装で、development環境におけるアカウント有効化の流れは完成しました。次は、サンプルアプリケーションの設定を変更し、production環境で実際にメールを送信できるようにしてみましょう。具体的には、まずは無料のサービスを利用してメール送信の設定を行い、続いてアプリケーションの設定とデプロイを行います。

本番環境からメール送信するために、「SendGrid」というHerokuアドオンを利用してアカウントを検証します (このアドオンを利用するためにはHerokuアカウントにクレジットカードを設定する必要がありますが、アカウント検証では料金は発生しません)。本チュートリアルでは、「starter tier」というサービスを使うことにします。これは、(執筆時点では) 1日のメール数が最大400通までという制限がありますが、無料で利用することができます。アドオンをアプリケーションに追加するには、次のコマンドを実行します。

$ heroku addons:create sendgrid:starter

: herokuコマンドのバージョンが古いとここで失敗するかもしれません。その場合は、Heroku Toolbeltを使って最新版に更新するか、次の古い文法のコマンドを試してみてください。

$ heroku addons:add sendgrid:starter

アプリケーションでSendGridアドオンを使用するには、production環境のSMTPに情報を記入する必要があります。 リスト 11.41に示したとおり、本番Webサイトのアドレスをhost変数に定義する必要もあります。

リスト 11.41: production環境のRailsでSendGridを使用する設定 config/environments/production.rb
Rails.application.configure do
  .
  .
  .
  config.action_mailer.raise_delivery_errors = true
  config.action_mailer.delivery_method = :smtp
  host = '<your heroku app>.herokuapp.com'
  config.action_mailer.default_url_options = { host: host }
  ActionMailer::Base.smtp_settings = {
    :address        => 'smtp.sendgrid.net',
    :port           => '587',
    :authentication => :plain,
    :user_name      => ENV['SENDGRID_USERNAME'],
    :password       => ENV['SENDGRID_PASSWORD'],
    :domain         => 'heroku.com',
    :enable_starttls_auto => true
  }
  .
  .
  .
end

リスト 11.41のメール設定にはSendGridアカウントのuser_namepassword設定を記入する行もありますが、そこには記入せず、必ず環境変数「ENV」に設定するよう十分ご注意ください。 本番運用するアプリケーションでは、暗号化されていないIDやパスワードのような重要なセキュリティ情報は「絶対に」ソースコードに直接書き込まないでください。そのような情報は環境変数に記述し、そこからアプリケーションに読み込む必要があります。 今回の場合、そうした変数はSendGridアドオンが自動的に設定してくれますが、13.4.4では環境変数を自分で設定しなければなりません。 参考までに、リスト 11.41で使用するHerokuの環境変数を表示するには、次のコマンドを実行します。

$ heroku config:get SENDGRID_USERNAME
$ heroku config:get SENDGRID_PASSWORD

この時点で、Gitのトピックブランチをmasterにマージしておきましょう。

$ rails test
$ git add -A
$ git commit -m "Add account activation"
$ git checkout master
$ git merge account-activation

続いてリモートリポジトリにプッシュし、Herokuにデプロイします。

$ rails test
$ git push
$ git push heroku
$ heroku run rails db:migrate

Herokuへのデプロイが完了したら、自分が管理しているメールアドレスを使って、production環境でユーザー登録を行ってみましょう。11.2で実装した有効化メールが配信されるはずです (図 11.7)。受信したメールに記されているメールをクリックすると、期待通りアカウントの有効化に成功するはずです (図 11.8)。

images/figures/activation_email_production_4th_ed
図 11.7: production環境から送信したアカウント有効化メール
images/figures/activated_in_production
図 11.8: production環境でアカウント有効化に成功する

演習

  1. 実際に本番環境でユーザー登録をしてみましょう。ユーザー登録時に入力したメールアドレスにメールは届きましたか?
  2. メールを受信できたら、実際にメールをクリックしてアカウントを有効化してみましょう。また、Heroku上のログを調べてみて、有効化に関するログがどうなっているのか調べてみてください。ヒント: ターミナルからheroku logsコマンドを実行してみましょう。

11.5 最後に

本章でアカウント有効化を実装したことにより、サンプルアプリケーションの「ユーザー登録」「ログイン」「ログアウト」の仕組みがほぼ完成したと言えるでしょう。これを完成させるための最後に1ピースは、ユーザーがパスワードを忘れた時の「パスワード再設定」機能です。12でも説明しますが、パスワード再設定とアカウント有効化の仕組みは非常に似ています。このため、本章で学習した様々な知識が次章で活きていくことになるでしょう。

11.5.1 本章のまとめ

  • アカウント有効化は Active Recordオブジェクトではないが、セッションの場合と同様に、リソースでモデル化できる
  • Railsは、メール送信で扱うAction Mailerのアクションとビューを生成することができる
  • Action MailerではテキストメールとHTMLメールの両方を利用できる
  • メイラーアクションで定義したインスタンス変数は、他のアクションやビューと同様、メイラーのビューから参照できる
  • アカウントを有効化させるために、生成したトークンを使って一意のURLを作る
  • より安全なアカウント有効化のために、ハッシュ化したトークン (ダイジェスト) を使う
  • メイラーのテストと統合テストは、どちらもUserメイラーの振舞いを確認するのに有用
  • SendGridを使用するとproduction環境からメールを送信できる
  1. 本章と次章は、他の章とは独立しています (本章と次章もほぼ独立していて、リスト 11.6のメーラーを生成する部分だけが、次章を進めるために必要です)。したがって、読者は (必要であれば) 本章をスキップして、12または13を進めることが可能です。とはいえ、本章と次章の内容は密接に関わっているので、本章をスキップして次章に取り組むのはやや難しいです。一方で、本章と次章をスキップして先に進むのは、それほど難しくありません。 
  2. せっかくユーザーIDが既にアプリケーションのURLでそのまま使われているのですから、メールアドレスの代わりにユーザーIDを使うという手ももちろんあります。ただ、メールアドレスにしておけば、将来何らかの理由でユーザーIDをぼかしておきたくなる場合に役に立つかもしれません (競合他社があなたのアプリケーションのユーザー数を推測しにくいようにしたい、など)。 
  3. editアクションを使いたいのですから、コマンドラインでeditと指定すればよいように思えますが、そうすると使いもしないeditビューやテストまで生成されてしまうのです。 
  4. これがまさに、Rails 5で追加されたhas_secure_tokenメソッドを本チュートリアルで使わない理由です (secureという名前付けもちょっとよくないかもしれません...)。このメソッドは、データベースにハッシュ化されていないトークン (平文) を追加します。 
  5. URLのクエリパラメータではキー/値ペアを複数使用することもできます。その場合は、「&」を使用して「/edit?name=Foo%20Bar&email=foo%40example.com」のように区切ります。 
  6. 本章を執筆していたとき、筆者はRailsでURLをどうやってエスケープさせれば良いのかわかりませんでしたが、コラム 1.1の要領で解決することができました。例えば今回の場合は「ruby rails escape url」で検索して、おそらく2通りの手法 (URI::encode(str)CGI::escape(str)) があると判断しました。そして両方を試してみた結果、実際に動作したのは後者の方だったのです (ちなみに実はもう1つ方法があって、ERB::Utilライブラリのurl_encodeメソッドでも同じことができそうです)。 
  7. update_attributesではなくupdate_attributeを実行していることに注目してください。update_attributesだとバリデーションが実行されてしまうため、今回のようにパスワードを入力していない状態で更新すると、バリデーションで失敗してしまいます (6.1.5)。 
  8. リスト 11.40では、&&ではなくandを使っている点に注意してください。&&andの動作は「ほぼ」同等ですが、&&演算子の方がandよりも優先順位が高いので、&&だとroot_urlとの論理的な結び付きが強くなりすぎてしまい、不適切です。 root_urlをかっこで囲んでこの問題を回避することもできますが、andを使用する方が常道です。 
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